坂上

開局記念日

1981年(昭和56年)4月1日。日本テレビ系列で新潟3番目の民放、TNNテレビ新潟が開局した。

実はこの日にピッタリと放送が始まった訳ではなく、試験放送と呼ばれる放送が約1週間前くらい?から既に始まっていた。なので新潟県民は徐々にテレビ新潟の番組を視始めている。

UHFの29チャンネルということで、テレビのチャンネルをUに合わせ、そこでもう一つのダイヤル式のつまみを回して数字の29近辺に来ると番組が視られるというものだった。まだこの時期には現在のような大型の液晶パネルや、ハイビジョンのような高精細度のテレビがあるわけもなく、箱型のブラウン管のテレビが主力の時代である。画角も横4:縦3のサイズで、現在の16:9のような横長の画面でもない。リモコンでチャンネルの数字ボタンを押すと番組が切り替わるような、今の当たり前のシステムもまだ浸透していない。テレビのチャンネルをガチャガチャ回す時代だ。

開局直前の3月31日、新潟県民会館では「開局前夜祭」が行われた。司会が徳光和夫さん、久米宏さんという二人の大物アナウンサーで、出演者も五木ひろし、和田アキ子、西城秀樹、河合奈保子、小林幸子など豪華な出演者が揃った。観客は数万通の応募ハガキから抽選で選ばれた約1800人で、華やかに彩られた歌番組として全国放送された。

我々営業部の社員は、会場スタッフとして観客の誘導や案内役の仕事が割り振られた。凄い倍率で当選したにもかかわらず当日来ない人もいるのだが、観客席を映した際に1席でも空席があっては絶対にNGということで、会場周辺にいた一般の人にお願いして埋めるというハプニングもあった。

「YES MY」というキャッチフレーズで華々しくスタートしたTNN(Television Niigata Network)。県民の大きな期待を背負って走り始めた。

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